新川帆立『ひまわり』書評&感想

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新川帆立著『ひまわり』のあらすじや魅力をつづっていきます。

この記事でわかること

わたしは昨年『ひまわり』を読み、主人公の生き様にとても感動しました。

ネタバレに注意して紹介するので、どんな作品か気になっている人はぜひ参考にしてみてください。

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まゆこ

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目次

『ひまわり』の基本情報

ひまわりの基本情報

タイトルひまわり
著者新川帆立
発行年2024/11/15
出版社幻冬舎
ページ数482ページ
ジャンルヒューマンドラマ

新川帆立さんは、このミステリーがすごい!大賞をとりドラマ化した『元彼の遺言状』を書かれた方です。

『ひまわり』はミステリーではなく、ヒューマンドラマ系の小説。

まゆこ

1人の女性の生き様を描いた、心温まる感動の物語です。

『元彼の遺言状』はこちらで紹介しています。

『ひまわり』のあらすじ

あらすじ

事故で頸髄を損傷し、体が動かなくなってしまった主人公・ひまり。復職や転職の道はきびしく、生活保護をすすめられる。しかし彼女は懸命にリハビリに励み、自分らしく生きることを諦めない。そして頭脳と言葉を武器に、弁護士を目指すことを決意した。

お喋り大好きで強気な女性が主人公の、波瀾万丈ストーリーです。

絶望と希望どちらも描かれた感動作でした。

『ひまわり』の魅力的なポイント

実際に『ひまわり』を読んで、魅力的だと感じたところを紹介します。

魅力ポイント

魅力①ひまりの根性に胸が熱くなる

主人公・ひまりは、話すこと以外なにもできなくなり24時間助けが必要な状態です。

同じ状態になったら、ほとんどの人は「自分にはもう何もできない」と絶望するだろうと思います。

しかしひまりは、何度壁が立ちはだかっても諦めず、自分らしく生きていくために奮闘

まゆこ

目標へ突き進んでいく強い姿は、多くの人の心を熱くさせてくれます。

魅力②絶望している人に希望を感じさせてくれる

「最悪な人生だ」「みんなよりも不幸だ」と感じている人もいるはず。

そのような人たちにとって、ひまりの姿は希望になると感じました。

また『ひまわり』は、“頸髄を損傷し体の自由が奪われた状態で司法試験に挑戦した方”への取材をもとにして描かれています。

完全なフィクションではなく、実在する人物へのインタビューがもとになっているので、なおさら希望になると思いました。

魅力③人の温かさを感じられる

『ひまわり』では損得など関係なしに、ひまりを献身的に支える人たちが出てきます

まゆこ

人の優しさに触れられる、温かい作品です。

一方で身動きできないひまりを冷たくあしらう社会が対比的に描かれており、そちらも注目ポイントの一つ。

魅力④頸髄損傷についての知識がつく

頸髄損傷について詳しく説明がされていて、どのような状態なのかを知ることができます。

  • 体が動かなくなる以外にどんな症状がでる?
  • リハビリで改善する?
  • 生活する上で気をつけるべきことは?

など、知的好奇心を満たせるという喜びもあります。

『ひまわり』がおすすめな人とおすすめでない人

『ひまわり』は自分に向いている?

おすすめな人

  • 毎日がツラい
  • 感動的な小説を読みたい
  • テンポが良い小説が好き
  • 波瀾万丈な物語に触れたい

おすすめでない人

  • 楽しい気分になりたい
  • 頑張っている人を見たくない
  • 凝った文章表現が好き

『ひまわり』はしんどい気持ちに寄り添って、希望を提示してくれます

まゆこ

現状に不満がある人や悩みを抱えている人におすすめです。

一方で、コメディのようなストーリーではないので(暗い雰囲気でもないけど)楽しくなりたい人には不向き。

また「努力している人を見ると、自分も頑張れと言われているようでツラい」という人も無理に読まなくても良いかなと思います。

『ひまわり』を読んだわたしの感想

『ひまわり』を読んだ感想を書いていきます。

感動したところと気になったところ

困難にぶち当たっても諦めない、ひまりの強気な姿に心を打たれました

まゆこ

自分とはほど遠い”憧れの女性”という感じです。

とはいえ「無理して頑張ることこそが尊い」という雰囲気を感じ、少し引っかかりました

もちろん努力する姿は美しいですが「万が一とりかえしのつかないことになったら…」と不安になってしまいます。

まゆこ

最後の一文では再び涙がこみあげました。

優しくも力強く肩を叩いて励ましてくれているような感じがして、読後感がとてもいいです。

障害を抱えている人への対応について

復職や転職、司法試験への挑戦を読み、障害を抱えている人への配慮がまだ行き届いていないことを知りました。

こんな対応をされると「あなたは社会には要りません」と言われているようで、嫌な気持ちがするだろうなと思います。

「前例がありませんので」と突っぱねるのではなく、もっと柔軟で思いやりのある社会になってほしいです。

文章について

テンポの良い文章で、読みやすかったです。

ひねった表現など文章のクセは少なく、心に引っかかる感じもありませんでした。

まゆこ

むしろパキパキとしたストレートな表現で、好きな文体です。

『ひまわり』に関するよくある質問

新川帆立『ひまわり』は実話?モデルは誰?

実話やモデル小説ではありません。

ただ、主人公と同じ境遇の菅原崇弁護士への取材をもとにして書かれています。

同じ境遇
事故で四肢マヒになったが司法試験に挑戦したこと

新川帆立『ひまわり』は文庫本ある?

現在は単行本のみです。

まとめ

『ひまわり』は、優しさと強さが共存する感動的な物語でした。

自分の生き方を見直すきっかけにもなる1冊だと思います。

人生に悩んでいる人や感動する小説が読みたい人は、ぜひ手に取ってみてください。

まゆこ

最後まで読んでくれてありがとうございます

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